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SFC版シムシティで気持ちの整理を学ぶシムシティは、お小遣い制ではなかった(ランダムだった)我が家において、まさかの“親へのプレゼン”で買ってもらった唯一のソフトだった。それこそ、融資を受ける為に起業計画書を作ったり説明する時の様に、いかにこのソフトが有益かを親に時間をかけて説明したのだった。 かくして奇跡的に(親の気まぐれで)手に入れた待望のソフトを、私がやり込まないはずがない。 夢中だった。 10万人都市になるまで、そう時間はかからなかった。 ちょいちょいトラブルは発生するので見守ったり手を加えたりするのが、これまた楽しかった。 町をどんどん大きくする。 そんなある日。 遊びに来た地域の下の学年の男の子がシムシティを見たいと言うので、いつも1人で遊んでいたシムシティを披露しようとしていた時だ。 スーパーファミコン自体が、私の田舎のその地域で何台あったのかは定かではないが、珍しかったらしく、自分で起動してみたいと言うので「スイッチを入れるくらいなら」とその子に許可を出した。 電源ボタンをパチリ。 ゲームが始まらない。 この頃のゲーム機は、起動直後にちょっと調子が悪い事が多々あった。 慌てず再起動するのが定石だが、ROMはよくデータが飛んでいたので乱雑に扱わないのが暗黙のルールだった。 ところが。 その子は画面を見るや、素早くリセットボタンを押したりイジェクトボタンではなく手でソフトを引っこ抜いたり、またガチャリと押し込んだり、まさかの乱暴な振る舞い。 呆気に取られて、制止が間に合わなかった。 一瞬の出来事だったが、時既に遅し。 『最初から始めていい?』 状況が呑み込めていない男の子。 綺麗さっぱりサーブデータがなくなって、新たに始めるしかなくなったシムシティを見て、冷静になった私は、『今日はこれでゲームおしまい』と、静かに電源を落として全てのゲームを仕舞い込んだ。 これ以上、被害を拡散させない為に。 この頃、ゲームや玩具にまつわるトラブルが何故か多発していて、友だちとこれらの会話をほとんどしなくなった。小学生~中学生の頃だったと思う。 しばらく経ってから心機一転、都市を作り直して再び大きくしていったのだが、気持ちを整理するまでにかなりの時間を要した。 自分よりはるかに年下の子に対して、怒鳴りたくなる衝動を抑えたり。 あの男の子を責めた所でセーブデータは戻らないのだと、自分に言い聞かせたり。 お陰で、ゲームによって沢山のことを学んだと今では思う。 ちなみに。 その買ってもらったシムシティは、今でも大切に保存している。 スーパーファミコン本体と共に。 PR
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