永遠の0。
ー「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」
そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。
終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんで来るー。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。
※原作表紙より抜粋。
・第1話 本当の祖父26歳、司法浪人の佐伯健太郎は、ジャーナリスト志望の姉に頼まれ、戦死した実の祖父「宮部久蔵」を調べることに。「特攻」を「テロリスト」と同一視する新聞記者の存在、自分たちのルーツがテロリストなのか。
生きていれば85歳の祖父の戦友たちと会い、ルーツを探す旅。それが自分をも大きく変える旅になろうとは。
・第2話 命を惜しむ「臆病者」何故、血の繋がった祖父のことを今まで知らされなかったのか。
祖母が亡くなった6年前、それを切っ掛けに祖父から「本当の祖父」の存在を知らされる。
祖父を知るべくかつての戦友たちに会いに行く健太郎たち。
ラバウルで祖父と共に戦った長谷川(旧姓:石岡)に面会し、思わぬ話が口火を切る。
・第3話 石岡三飛曹海軍航空隊一の臆病者と呼ばれる宮部久蔵。その言動を許せない長谷川は、宮部が徴兵された兵士ではなく、自ら軍人となった航空兵(志願兵)であることだった。
・第4話 少年の「希望」口減らしの為に過酷な奉公へ出された石岡少年の唯一の希望、それは空で戦う世界だった。
・第5話 落下傘戦闘機乗りは命を捨てる覚悟で空に上がる、そういう石岡は宮部を尊敬していた。いつも無傷で帰還する宮部に、必勝法を教授してくれと迫る石岡。逸る石岡に「生きて帰る、この気持ちを強く持つことです」と宮部は諭す。落下傘の点検を怠らない宮部を見て、自分一人が助かりたいと言うのか!?と侮蔑の念が石岡を擡げる。
・第6話 失った片腕帝国軍人の風上にもおけない奴ー長谷川(石岡)は尊敬した宮部を「臆病者」と蔑んだ。空戦で撃墜され脱出した米搭乗員のパラシュートを打ち抜いたのだ。
直掩任務中に被弾し、片腕を失う石岡。この時も宮部は無傷で帰還する。命懸けの任務の間、宮部はどこにいたのだ?!と石岡は訝る。
・第7話 生きる意味元特攻隊員=勇ましさを連想していた2人には、「臆病者」と祖父を蔑む話にやや落胆していた。長谷川(石岡)の家に忘れ物をした健太郎は一人荷物を取りに戻ると、そこで長谷川から戦後の話を聞かされる。
それは戦後、家族を持って初めて理解した「生きて帰る」意味、「生きる意味」。
誰よりも命を惜しんだ宮部が特攻死を遂げ、死を恐れていなかった自分が生きながらえている。誰にも話せなかった苦しみを打ち明け、話す機会を与えてくれた2人に感謝する長谷川。
健太郎が想像もできないような生と死が、そこにはあった。
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